魅
魅
名詞
標準
文例 · 用例
したがって「いき」は無上の権威を恣にし、至大の魅力を振うのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
ケレルマンがその著『日本に於ける散歩』のうちで、日本の或る女について「欧羅巴の女がかつて到達しない愛嬌をもって彼女は媚を呈した{4}」といっているのは、おそらく「いき」の魅惑を感じたのであろう。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
「いき」の無関心な遊戯が男を魅惑する「手管」は、単に「手附」に存する場合も決して少なくない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
不幸な結婚をした出戻りではあるがまだ三十になったばかりの美しい敏子はかなり派手な着物をすらりとした身体に着こなして魅力の溢れた挨拶をした。
— 九鬼周造 『かれいの贈物』 青空文庫
人は夜の夢の中で、樹人や火人であつた頃の、先祖の古い記憶を再現し、いつも我等の生命を脅かして居たところの、妖怪變化の恐ろしい姿や、得體の解らぬ怪獸やの、魑魅魍魎の大群に取り圍まれて魘されてゐる。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
たしかに彼等の幼兒は、夢の中で魑魅魍魎に取り圍まれ、人類の遠い先祖が經驗した、言説しがたく恐ろしいこと、危險なことを體驗し、生命の脅かされたスリルを味はつてゐるのである。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
だがその二つの資格をもつ読者にとつて、ニイチェほど興味が深く、無限に深遠な魅力のある著者は外にない。
— 萩原朔太郎 『ニイチェに就いての雑感』 青空文庫
私の詩の本質――よつて以てそれが詩作の動機となるところの、あの香氣の高い心悸の鼓動――は、ひとへにただあのいみじき横笛の音の魅惑にある。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫