伝奇小説
でんきしょうせつ
名詞
標準
fantasy novel
文例 · 用例
英国本の伝奇小説にはよくかういふことが書いてある。
— 岡本かの子 『英国メーデーの記』 青空文庫
文化、文政、天保間の伝奇小説に応用されたる、丑の時詣なんど謂えるものの実際功を奏すべしとは、決して予の信ぜざるところなるも、この惨怛たる光景は浅次郎の身に取りて、喜ぶべきことにはあらずと思いき。
— 泉鏡花 『黒壁』 青空文庫
難破船は、薄やみの中に、暴れ狂う怒濤の中に、伝奇小説の中で語られた悲しき運命の船のごとくに、とり残された。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
寝台の傍らには、しほりを挟んだ古典の伝奇小説の本やら、画集の類ひやらが四散してゐて、卓子のまはりには書き損じの原稿が破かれたり丸められたりして飛び散つてゐた。
— 牧野信一 『南風譜』 青空文庫
」 私のそれは時代を遠く戦乱の世にかりた伝奇小説ではあるものゝ、巻中に出没する多くの悪党共は、悉く奴等の姿をありのまゝ描破して、秘かに作者たる私が積年の鬱憤を晴さうといふ仕組みであつた。
— 牧野信一 『ダニューヴの花嫁』 青空文庫
徳川時代というものの中で眺める馬琴というような作家は、同時代の庶民的情調に立つ軟文学の気風に対して、教養派のくみであったろうが、馬琴の芸術家としての教養の実体はモラルとしての儒教に支那伝奇小説の翻案的架空性を加えたものが本道をなしていたと思える。
— 宮本百合子 『作家と教養の諸相』 青空文庫
第五に「歴史小説」第六に「伝奇小説」この両者の相違は後章に詳説する。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
一、時代物 二、少年物 三、科学物 四、愛欲小説 五、怪奇物(広い意味の探偵小説) 六、目的、又は宣伝小説 七、ユーモア小説 一、時代物 時代物は、これを伝奇小説と歴史小説に分類する。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
作例 · 標準
子供の頃、剣と魔法の世界を描いた伝奇小説に夢中になった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
この伝奇小説は、読み始めると止まらなくなるほど面白い。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
彼は日本の古代伝承に基づいた伝奇小説を執筆している。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
ウィキペディア
伝奇小説(でんきしょうせつ)は現実ではありえない怪奇や幻想といった内容(伝奇)を扱った小説のこと。伝綺小説とも。狭義には唐-宋時代に成立した短編小説である中国文学のジャンルを指す。これを指して唐代伝奇、唐宋伝奇とも。晩唐の作品集である裴鉶 『伝奇』三巻の題名が一般化して、唐の小説を伝奇と総称するようになったといわれる。また中国の古典的な歌舞演劇である戯曲の形式の1つを伝奇と呼び、明・清時代に隆盛した。
出典: 伝奇小説 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0