幻辞.com

鶏籠

にわとりかご
名詞
1
標準
文例 · 用例
おかっぱ洋装の孫娘がお祖母さんとバタ入れとにほこりがかからないようにと大きな鶏籠のようなものをすっぽりかぶせておいたのをおかあさんが見つけて驚いて籠を引き起こしている図である。
寺田寅彦 柿の種 青空文庫
どッこいと取捉まえて厭がる者を無理無体に、シャモを鶏籠へ推込むように推込む。
二葉亭四迷 平凡 青空文庫
しかも、関東へ送られる途中、彼は少しも懼れる色なく、「日毎に軍鶏籠の中から酒を乞ひ酔眠すること平日と異らず」と云ふ程、腹の出来た人間だつたと云ふから流石に頼山陽の子に恥ぢない。
菊池寛 二千六百年史抄 青空文庫
言うまでもなく、この御船手役人は伏鐘の一味……いっぽう御船手役人のほうは、手はずどおり、永代橋で待っていると、送り役人がついて七つの軍鶏籠が来たから送り帳に照しあわせて七人を受けとり、これを艀舟に積む。
遠島船 顎十郎捕物帳 青空文庫
……軍鶏籠の胴中へ白刃を一本さしこんでおいて、それを、こっちから向うへ抜けるんですが、あのくらいの芸があれば、今晩のようなことはわけなくやってのけるでしょう……してみりゃア、埓もないはなしです。
蕃拉布 顎十郎捕物帳 青空文庫
吐き気をつづけて、半日ほどは苦しみましたが、解毒を服まされて体が癒ると、猶予なく、おきまりの軍鶏籠に乗せられて、甲府表から江戸町奉行へ差立てになり、阿弥陀街道から笹子、小仏を揺られて来ました。
吉川英治 江戸三国志 青空文庫
雲霧は、軍鶏籠の隙から、路傍に坐って、自分を拝んでいる老婆だの、不具者だのを見た。
吉川英治 雲霧閻魔帳 青空文庫
もう貴様の悪運も尽きたのだぞ」「ヘン……よくお分りでございますこと」「大津口まで出れば、問屋場からすぐに軍鶏籠に乗せてやる。
吉川英治 牢獄の花嫁 青空文庫