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面心

めんしん
名詞
1
標準
文例 · 用例
あれは曲輪の重ね餅とまでうらやましがられていた二人の仲を何者か憎んで、何か容易ならぬ企らみでもやったか、それとも本人同士が親の六兵衛に叱責されるのを恐れて、表面心中した風に見せかけながら、実はどこぞに隠れてこっそり添いとげているのか、いずれにしても謎は人違いのこの死体です。
幽霊を買った退屈男 旗本退屈男 第十話 青空文庫
修辞学は一面論理であるとともに他面心理である。
三木清 解釈学と修辞学 青空文庫
「平面幾何學といふものに對して、立體幾何學といふものがあるやうに、自分にとつては、小説は平面心理學であるのみならず、立體心理學なのである。
神西清に プルウスト雜記 青空文庫
秀吉が、武将にかけては、遥かに自分より意気地のない人間だとは、心のうちで下目に見ていながら、なおかつ、彼を、苦手なやつとしているのは、そういうところに、一面心ならずも敬服しているからであった。
第五分冊 新書太閤記 青空文庫
――誦経がすむと尊氏は半跏趺坐(片あぐら)のかたちをとり、丹田(下腹)に印をむすび、呼吸をひそめて、いつもの坐禅に入ったまま、またしばらくは他もなく自己もない“面心面仏”の人そのものになりきっている姿だったからである。
風花帖 私本太平記 青空文庫