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湿々

湿々
名詞
1
標準
文例 · 用例
三 界隈の景色がそんなに沈鬱で、湿々として居るに従うて、住む者もまた高声ではものをいわない。
泉鏡花 三尺角 青空文庫
中にはまだ湿々しているのもあった。
徳田秋声 足迹 青空文庫
切り拓いた地面に二|棟四軒の小体な家が、ようやく壁が乾きかかったばかりで、裏には鉋屑などが、雨に濡れて石炭殻を敷いた湿々する地面に粘り着いていた。
徳田秋声 青空文庫
加賀野新小路の親縁の家では、市役所の衛生係なる伯父が出勤の後で、痩せこけた伯母の出して呉れた麦煎餅は、昨日の雨の香を留めたのであらう、少なからず湿々して居た。
石川啄木 葬列 青空文庫
布団は垢で湿々して、何ともいえない臭がする。
小栗風葉 世間師 青空文庫
「なんだか夜中などに目をさますと、空気が湿々していて、心もちが悪くなります。
堀辰雄 菜穂子 青空文庫
妙な緊張した不安に襲われながら、彼は少し湿々した土地に腰を下ろして夕日の中に蹲まった。
久米正雄 競漕 青空文庫
「ね、旦那、先代の大旦那が亡くなられてから、もう一年以上経っているでしょう、いつまでも湿々していたって、追善供養の足しになるわけじゃありません。
百物語 銭形平次捕物控 青空文庫