銀箭
ぎんせん
名詞
標準
silver arrow
文例 · 用例
一面に空を蔽つた雲は概して鼠色で、ところどころ雲切がして、明るく日の光りがすかされて見えて居りながら、銀箭を射たやうな雨はすさまじく降り頻つた。
— 田山録弥 『旅から帰つて』 青空文庫
銀箭のやうな雨脚が烈しく庭に落ちて来てゐるのが、それと蝋燭の光に見える。
— 田山花袋 『ある僧の奇蹟』 青空文庫
槍穂高の連峰は鋭い峰角から銀箭を射出すように雪が輝く。
— 木暮理太郎 『白馬岳』 青空文庫
其左には槍穂高の連嶂が遥の空際から銀箭を射出す。
— 木暮理太郎 『朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅』 青空文庫
次の瞬間には山という山が四方から放つ鋭い銀箭の光に射竦められてしまった。
— 木暮理太郎 『黒部川奥の山旅』 青空文庫
茫々たる薄墨色の世界を、幾条の銀箭が斜めに走るなかを、ひたぶるに濡れて行くわれを、われならぬ人の姿と思えば、詩にもなる、句にも咏まれる。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫