潜勢
せんせい
名詞
標準
文例 · 用例
換言すれば、「いき」の論理的言表の潜勢性と現勢性との間には截然たる区別がある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
体験さるる意味の論理的言表の潜勢性を現勢性に化せんとする概念的努力は、実際的価値の有無または多少を規矩とする功利的立場によって評価さるべきはずのものであろうか。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
最近にはまた勉強の活勢力を得るための潜勢力を養うべき「怠け日」であった暑中休暇も廃止されるくらいであるから。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
境遇惡變して生ずる張る氣は、其の未だ惡變せざるに先だつて其の人の有して居た潜勢力の發現で、其の潜勢力にして費し盡さるれば漸くに弛むに至るを免れぬ。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
その衝動を社会は今|継子扱いにはしているけれども――そして社会なるものは性質上多分永久にそうであろうけれども――その何処かの一隅には必ず潜勢力としてそれが伏在していなければならぬ。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
ところが支倉君、その潜勢状態という観念が、僕に栄光を与えてくれた……」 そう鋭く言葉を截ち切って、それから黙々と考えはじめたが、そのうち幾つかの莨を換える間に、法水は一つの観念を捉え得たらしかった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
何故なら、それから、犯人の潜勢状態を剔抉したからだ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
潜勢力の苦痛である。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫