琴爪
ことづめ
名詞
標準
koto plectrum
文例 · 用例
紺地の素袍に、烏帽子を着けて、十三|絃に端然と直ると、松の姿に霞が懸って、琴爪の千鳥が啼く。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
わたくしはあとの方に引き退って、紫縮緬の羽織の襟から抜け出したような照之助の白い頸筋を横目にみながら、おとなしく琴をひいて居りましたが、なんだか手の先がふるえて、琴爪が糸に付きませんでした。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
父が時たまとりだして、安座をかいて、奏管(琴爪)で琴につけた譜面の星を、ウロウロ探しあてて弾いていた。
— 長谷川時雨 『神田附木店』 青空文庫
茄子紺の地に井桁を白く抜いた男柄の銘仙に、汚点ひとつない結城の仕立おろしの足袋というすっきりしたようすでやってきて、おばあさまの琴爪をちょうだいといった。
— 久生十蘭 『黄泉から』 青空文庫
おばあさまの琴爪というのは、琴古の名人だった光太郎の祖母が死ぬとき、これはおけいに、といって遺したものだった。
— 久生十蘭 『黄泉から』 青空文庫
病室の衛生兵に秋田というひとがいて、これは京都の有名なお琴師さんだそうで、おけいさんの部屋に琴爪があるのをみつけて、そんなら琴をつくってあげようといって、あのへんのラワンやタンジェールなどという木で琴をつくってくれましたの。
— 久生十蘭 『黄泉から』 青空文庫
琴爪が糸のうへをさらさらころころとすべつてゆくのも、雲のやうなもくめのある胴のうへに雁の形の琴柱がちらばらに立つてるのもみな珍しく美しくみえた。
— 中勘助 『銀の匙』 青空文庫
別に、附属品を収めた小型の桐の匣があって、中に琴柱と琴爪とが這入っていた。
— 谷崎潤一郎 『吉野葛』 青空文庫
作例 · 標準
琴の音色を奏でるため、彼女は丁寧に琴爪を指にはめた。
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祖母が大切にしていた琴爪は、今も私の宝物だ。
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彼は新しい曲のために、色々な素材の琴爪を試していた。
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