携電
携電
名詞
標準
文例 · 用例
加十は手携電燈の燈火をたよりに穴の縁を廻って、夜番詰所の小屋の傍まで行き、息をころして内部の様子を窺って見たが、さすが元日には夜番もここへ寝ないと見え、森閑として人の気配もない。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
手携電燈で照らして見ると、切石を畳んだ暗道の壁の上には、何とも名の知れぬやもりのような虫が一面に貼りついていて、これが一斉にノロノロと身動きするので、まるで壁全体が揺れるように見える。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
その人物は背中を丸めてその部分を撫で試みる様子だったが、床の上に手携電灯を差置くと、ポケットから小さな鑿のようなものを取出し、そこをガリガリと掻きはじめた。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫