落月
らくげつ
名詞
標準
setting moon
文例 · 用例
狂言は新作の「妹背山」と「孤城落月」の糒蔵。
— 岡本綺堂 『明治演劇年表』 青空文庫
蘇州の寒山寺は別していい寺というほどのこともないが、この寺の向こうには有名な楓橋があって、その橋の上から見下ろしておもいをはせれば、楓橋の夜泊、寒山寺の鐘啻ひびきわたるところ「落月鳴烏霜満天……」の詩が生まれたのも宣なるかなと思ったが、この辺の景色がいい。
— ――中支遊記―― 『余齢初旅』 青空文庫
「うん、美津も、醉つて、そんな理窟をこねなければ、俺の妾にしてやつてもいゝンだが、何しろ、お前は勝氣で困るんだよ」 湖上落月型と云ふ禿げかたをしてゐる、背のひくい助役の眞木は、好人物な笑ひ顏で、美津江の手をとつて握り締めてゐる。
— 林芙美子 『雪の町』 青空文庫
例えば、 坪内逍遥氏の「桐一葉」、或は「沓手鳥孤城落月」とか、 その他、 真山青果氏の維新物の諸作品「京都御構入墨者」「長英と玄朴」「颶風時代」。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
淀殿と且元(桐一葉・孤城落月)・牧の方と義時(牧の方)・日蓮と嘉藤治(法難)などは、立派に対等の位置に据ゑられて居ます。
— 折口信夫 『芝居に出た名残星月夜』 青空文庫
歌舞伎座に行きまして歌右衛門の「時鳥弧城落月」という、歌右衛門十八番のお芝居を見まして、思わず世界一の女優サラベルナールを思い出しました。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
孤城落月も大したものではなし。
— 一九二五年(大正十四年) 『日記』 青空文庫
余は宛ら夜半の落月を見るが如き感慨を以て明治における衰滅期の浮世絵に接せんとす。
— 永井荷風 『江戸芸術論』 青空文庫
作例 · 標準
夜明け前の空に浮かぶ落月が、静まり返った街並みを淡く照らしている。
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杜甫の詩に登場する「落月屋梁を照らす」という表現は、友を想う深い情愛を感じさせる。
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西の山並みに消えゆく落月を見送りながら、漁師たちは早朝の漁へと出かけていった。
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