衄
衄
名詞
標準
文例 · 用例
ビルダデのために最後の大|敗衄をなした如く見えしその瞬間、実に新光明は彼に臨みて主客顛倒の態を表わし、三友は勿論彼自身すら予期せざりし真理の把握に依りて彼らを見事に撃退したのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
夥多しい衄血である。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
『神異経』に、〈大宛宛丘の良馬日に千里を行き、日中に至りて血を汗す〉とはいかがわしいが、チュクチー人など、シャーマーン(方士)となる修業至ってむつかしく、時として苦しみの余り、衄や血の汗を出すという(チャプリカの『西伯利原住人』一七九―一八〇頁)。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
あるいはいわく、衄を塗りて血汗に擬するのだと。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
僕達は不意に手を離してしまって床の上に※と抛げだされて瘤を拵えたり、ドッと衄血を出したり、筋をちがえた片腕を肩に釣って疼痛にボロボロ泪を流しながらも、奇怪なる舞踊をつづけたのだった。
— 海野十三 『恐しき通夜』 青空文庫
第九一項 衄血の話 わが国の民間にては、人の死したる場合に、その親戚もしくは縁故あるもの来たって死体に触るるときには、必ず鼻孔より出血するを見る。
— 井上円了 『おばけの正体』 青空文庫
かかる動揺を与うるために衄血の流出を見るのである。
— 井上円了 『おばけの正体』 青空文庫
しかるに、親戚のこれに触るるときに限るように申すは、かくのごとき場合にありては、他人のその死体に触るること極めて少なく、親戚の来たるを待ちてその体を動かすものなれば、衄血と親戚との間になにかの感応あるように考えたるのじゃとのこと。
— 井上円了 『迷信解』 青空文庫