蕎麦餅
そばもち
名詞
標準
文例 · 用例
熱い灰の中で焼いた蕎麦餅だ。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
あかあかと燃える焚火の側で、焼きたての熱い蕎麦餅に大根おろしを添えて、皆なで一緒に食う事を楽みにした広い炉辺の方へ帰って行った。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
日は次第に高くなる、空気は乾燥いでくる、夫婦は渇き疲れて休場処を探したのですが、さて三軒屋は農家ばかりで、旅人のため蕎麦餅を焼くところもなし、一ぜんめし、おんさけさかな、などの看板は爰から平沢までの間に見ることも出来ないのです。
— 島崎藤村 『藁草履』 青空文庫
なおまた炉中には、蕎麦餅らしいのが幾つも、地焼きにころがしてある。
— 勿来の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ただしこの話の輪廓は古い形で、鼠に蕎麦餅を御馳走した御礼に、招かれて鼠の国へ行くというのと、穴へ握飯を落したのを追掛けて入ると、中には地蔵様がいてわしが御馳走になった。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
しかるにもかかわらず、半分以上はまだ蕎麦餅とか握飯とかで、団子がその以後になってようやくころころと転がり出したものであることは確かである。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫