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群立つ

むらだつ
動詞
1
標準
文例 · 用例
珠か、黄金か、世にも貴い宝什が潜んで、気の群立つよ、と憧憬れながら、風に木の葉の音信もなければ、もみぢを分入る道も知らず……恰も燦爛として五彩に煌めく、天上の星を指しても、手に取られぬ、と異りはない。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
日本橋の橋の上で裸の大の字になりなさい」と言ったところでわたしが傍にさえいたらわたしの方を子供のようにちろ/\頼りに見ながら群立つ人々を人臭いとも思わず、赤子の寝起きのようにやおら裸の大の字になり得る女だった。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
蘆のこんもり群立つてゐる姿が處々に見えだした。
吉江喬松 霧の旅 青空文庫
道は西へ西へと向つて、小松の群立つてゐる赤土山へさしかゝつた。
吉江喬松 伊良湖の旅 青空文庫
谷あいに群立つ岩のあいだに、一枚の小鏡を置いたよう――落葉松、白樺、杉、柏、などの高山のみどりを縫って、ほのかな湯の香が立ち迷い、うえの尾根を行く人には、この沢壺の湯は、茶碗の底を指さすように眼に入るのである。
林不忘 煩悩秘文書 青空文庫
柱だけの白いバンガロオが一軒、若い松の群立つた中にひつそりと鎧戸を下してゐる。
芥川龍之介 O君の新秋 青空文庫
窓の外へ目を移すと、仰向けに寝てゐるため、前方の四号病室は屋根の部分だけがちよつと見えるのであるが、ちやうど、群立つて数羽の鳩が飛んで来たところだつた。
北條民雄 癩を病む青年達 青空文庫
以上の話から判る通り、私は常にむらだつざわめきの中に住み、小鬼に似た孤独の眼を光らしてゐるが、私はかかる寂寥に怖れはしないと叫んでおかう。
坂口安吾 狼園 青空文庫
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