擦り合わせる
すりあわせる
動詞
標準
文例 · 用例
――ぎりりゅう、と骨を擦り合わせるように電車が軋る。
— 佐左木俊郎 『猟奇の街』 青空文庫
しかしだんだんに学者の間にそれが広まり、またハンフリー・デヴィーなども氷を互いに擦り合わせると、融けて水になることを実験で確めてこの説に賛成しました。
— 石原純 『ヘルムホルツ』 青空文庫
新八は口をあいて喘いでい、からからに干あがった喉が、紙でも擦り合わせるような音をたてた。
— 第三部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
自分たちは外套の肩をすり合せるようにして、心もち足を早めながら、大手町の停留場を通りこすまでは、ほとんど一言もきかずにいた。
— 芥川龍之介 『毛利先生』 青空文庫
レーニはそれについて述べる前に、ブロックのほうを見下し、この男が両手を彼女のほうにあげて懇願しながらすり合せる有様をしばらくながめていた。
— DER PROZESS 『審判』 青空文庫
日本の演劇で蛙の声を聞かせる場合には、赤貝を摺り合せるのが昔からの習であるが、『太功記』十段目の光秀が夕顔棚のこなたより現れ出でた時に、例の小田の蛙が満洲式の家鴨のような声を張上げてぎいぎいと鳴き出したらどうであろう。
— 岡本綺堂 『二階から』 青空文庫
私はひとつの仕業に何度も頬|摺り合わせるようにしては外を指し、それ今が二十粁、三十二粁、まだまだ三十二粁、これでやっと三十五粁だと云う具合に実施指導を行う。
— 或る国鉄機関士の述懐 『指導物語』 青空文庫
しかし同じ物でも擦り合せる相手に依ってあるいは陽になる事もありまた陰になる事もある。
— 寺田寅彦 『猫六題』 青空文庫