花筒
はなづつ
名詞
標準
文例 · 用例
…… 冷い石塔に手を載せたり、湿臭い塔婆を掴んだり、花筒の腐水に星の映るのを覗いたり、漫歩をして居たが、藪が近く、蚊が酷いから、座敷の蚊帳が懐しくなって、内へ入ろうと思ったので、戸を開けようとすると閉出されたことに気がついた。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
…… 冷い石塔に手を載せたり、濕臭い塔婆を掴んだり、花筒の腐水に星の映るのを覗いたり、漫歩をして居たが、藪が近く、蚊が酷いから、座敷の蚊帳が懷しくなつて、内へ入らうと思つたので、戸を開けようとすると閉出されたことに氣がついた。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
――土耳古の鼻を舐めた奴だ、白百合|二朶の花筒へ顔を突込んで、仔細なく、跪いた。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
女や子供たちは、竹の熊手、竹箒、手桶、花筒、花束などを提げて通り、墓の掃除をする人々のなかには、杉野の家の井戸まで水を貰ひに來るものも多かつた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
御墓を見ると花筒に菊がさしてある。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
寂光院の花筒に挿んであるのは正にこの種のこの色の菊である。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
竹の花筒には紫苑や野菊がこぼれ出すほどにいっぱい生けてあった。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
今度行ってみると、佐々木の墓も大野の墓も旧のままで、大野の墓の花筒には白いつつじが生けてあった。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫