言えた義理
いえたぎり
名詞
標準
having the right to say
文例 · 用例
弱い、踏みにじられたる、いまさら恨み言えた義理じゃない人の忍びに忍んで、こらえにこらえて、足げにされたる塵芥、腐った女の、いまわのきわの一すじの、神への抗議、おもんの憤怒が、私を泣かせた、ここを忘れてはならない、人の子、その生涯に、三たび、まことに憤怒することあるべし、とモオゼの呟き。
— ――(生れて、すみません。) 『二十世紀旗手』 青空文庫
僕の事なんか言えた義理じゃないんだ。
— 太宰治 『誰』 青空文庫
それだって、様子を見ただけでも、お久しぶりとも、第一、お早う、とも言えた義理じゃありませんわ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
「今日までの阿母さんの恩を考えたら、お前が作さんを嫌うの何のと、我儘を言えた義理じゃなかろうじゃねえか。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
編集者とのトラブルに関しては、筆者も人のことを言えた義理ではない。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
満は本家から半分ずつ学資を出してもらってそれで卒業も出来たのに今になってそんな事が言えた義理でしょうか。
— 春の巻 『食道楽』 青空文庫
こんなことは女房に言えた義理ではないから、いかにも彼が大もてで、マダム意中の人の如くに威張りかえっているけれども、女房よゆるせ、そぞろ悲しく、ここが芸術の有難さだと、わが本性に根の一つもない夢幻の物語に浮身をやつし、作中人物になりすまし、朗吟の果には涙をながして自分一人感動している。
— 坂口安吾 『オモチャ箱』 青空文庫
興行師がもしそんなことをいえば、そんなことが言えた義理かといいたくなる。
— 永井荷風 『国民性の問題』 青空文庫
作例 · 標準
自分がいつも寝坊しているのに、部下の遅刻を咎めるのは言えた義理ではない。
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長年この分野で苦労を重ねてきた私だからこそ、君にその厳しさを言えた義理がある。
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政治家A:「国民の税金の使い道について、国民はもっと厳しく意見すべきだ。」
政治家B:「しかし、ご自身の不正経理が明るみに出たあなたに、それを言えた義理があるのでしょうか?」
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裁判官が被告の嘘を厳しく指摘したが、その裁判官自身も過去に証拠を隠蔽していたことが発覚し、弁護士は「あなたにそれを言えた義理はありません」と反論した。
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