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身肉

しんにく
名詞
1
標準
文例 · 用例
空もいんいん、地もいんいん、肢體に青き血ながれ、するどくしたたり、電光したたり、身肉ちぎれやぶれむとす、いま裸形を恥ぢず、十字架のうへ、齒がみをなしてわれいのる。
萩原朔太郎 情慾 青空文庫
身肉寒さに噛まれて鉢特摩の華の如く折裂し、呻きの声はただ※嘶叱、虎虎婆の二音が発せられるだけじゃ。
岡本かの子 阿難と呪術師の娘 青空文庫
身肉のわづらひ、苦き乳の熱に汗ばみ眠れば心の臟、牡丹花の騒ぎ瞬く間、あな頬は爛れ、百合のなか、七尺走る髪の音、ひたと接吻け、紅の息、火の海の、ああ擾乱や、水脈曳き狂ふ爛光に、五体とろけて身は浮きぬ。
北原白秋 第二邪宗門 青空文庫
何が故に自らを虐たげ、自らをさいなみ、自らの血を流し、身肉をこれ絞るか。
愛の詩集のはじめに 愛の詩集 青空文庫
此際に於て、因循姑息の術中に民衆を愚弄したる過去の罪過を以て当局に責むるが如きは、吾人の遂に忍びざる所、たゞ如何にして勝ちたる後の甲の緒を締めむとするかの覚悟に至りては、心ある者|宜しく挺身肉迫して叱咤督励する所なかるべからず候。
石川啄木 渋民村より 青空文庫
しかも兵士が挺身肉薄敵城を乗り取らんとする時、彼らの勇気を鼓舞する者は、抜刀隊一曲の歌ならざるべからず。
正岡子規 人々に答ふ 青空文庫
眼小さく、瞳輝き、鼻大きく、唇薄く、満面紅く童子を想わせ、全身肉落ち涸れてはいるが、かえって健康を感じさせる。
国枝史郎 蔦葛木曽棧 青空文庫
そうした行為が生み出す不幸を知り過ぎている彼の聡明は静かに彼の欲念に打ち克って来ていたが、彼が清酒の醸造をはじめるようになってからは、彼は仕事のためにどうしても身肉を委ねての内助者が必要であった。
地に潜むもの 地上 青空文庫