結城紬
ゆうきつむぎ
名詞
標準
silk products produced near Yūki (using natural indigo dye)
文例 · 用例
そのうち結城紬の単物に、縞絽の羽織を着た、五十恰好の赤ら顔の男が、「どうです、皆さん、切角出してあるものですから」と云って、杯を手に取ると、方方から手が出て、杯を取る。
— 森鴎外 『百物語』 青空文庫
男は八丈の棒縞の着物に、結城紬の羽織を着ていたが、役者らしい伊達なところは少しもないのですよ。
— 菊池寛 『ある恋の話』 青空文庫
江戸趣味といわれる、着物や羽織の裏に莫大な金をかける粋ごのみ、一見木綿のようでひどく質のいい絹織である結城紬、こういうこのみは、政治上の身分制に属しながら、経済の実力では自分を主張した町人階級の反抗の形としてあらわれたのであった。
— ――誰がために―― 『衣服と婦人の生活』 青空文庫
Kの如き町家の子弟が結城紬の二枚襲か何かで、納まっていたのは云うまでもない。
— 芥川龍之介 『野呂松人形』 青空文庫
東海道にやちつと差しがあつて、路は悪いが甲州街道を身延まで出にやなら無えから、忘れもし無え、極月の十一日、四谷の荒木町を振り出しに、とうとう旅鴉に身をやつしたが、なりは手前も知つてた通り、結城紬の二枚重ねに一本|独銛の博多の帯、道中差をぶつこんでの、革色の半合羽に菅笠をかぶつてゐたと思ひねえ。
— 芥川龍之介 『鼠小僧次郎吉』 青空文庫
結城紬の小袖に同じ羽織という打扮で、どことなく商人らしくも見える。
— 広津柳浪 『今戸心中』 青空文庫
今までだって、俺は、悪事をしたことはねえが、今度の金も、お二人への金だ) 庄吉の蹤けて行く人は、町家の旦那らしく、結城紬に、雪駄の後金を鳴らして、急いでいた。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
」「木綿のゴツゴツの布子を着……」「恐らくそれは結城紬であろう」 まさか藤原氏の全盛時代には結城紬などはなかった筈。
— 国枝史郎 『大鵬のゆくえ』 青空文庫
作例 · 標準
母の形見である結城紬の着物は、大切に保管しています。
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ウィキペディア
結城紬(ゆうきつむぎ)とは、茨城県・栃木県を主な生産の場とする絹織物。単に結城ともいう。奈良時代から続く高級織物で、本結城の工程は国の重要無形文化財。近現代の技術革新による細かい縞・絣を特色とした最高級品が主流である。元来は堅くて丈夫な織物であったが、絣の精緻化に伴い糸が細くなってきたため、現在は「軽くて柔らかい」と形容されることが多い。
出典: 結城紬 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0