舎娘
しゃむすめ
名詞
標準
文例 · 用例
まず、小手しらべに田舎娘をだましてみて、女ごころというものを研究し、それからおもむろにドンファン修行に旅立とうという所存でいたのに、その田舎娘ひとりの研究に人生七十年を使ってしまったという笑い話。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
「これは、きつと、鎌倉時代によそから流れて来た不良青年の二人組が、何を隠さうそれがしは九郎判官、してまたこれなる髯男は武蔵坊弁慶、一夜の宿をたのむぞ、なんて言つて、田舎娘をたぶらかして歩いたのに違ひない。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
冴子は田舎娘に扮して、絣の着物の裾から白い脛を出していた。
— 織田作之助 『夜の構図』 青空文庫
実に類型的な田舎娘の扮装だったが、冴子はどうみても田舎娘になり切れなかった。
— 織田作之助 『夜の構図』 青空文庫
しかし、その女優たちは舞台へ出ているのか、暖簾をあげて覗くと、鏡台――といっても、棚の上にのせられるような小型の鏡だが――の前に、冴子ひとり田舎娘の扮装のまましょぼんと坐ってるだけだった。
— 織田作之助 『夜の構図』 青空文庫
天象、地気、草木、この時に当って、人事に属する、赤いものと言えば、読者は直ちに田舎娘の姨見舞か、酌婦の道行振を瞳に描かるるであろう。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
それで、「へへん」と田舎娘のような笑い方をして、まじまじむす子を見入っていると、むす子は眼を外らし、唇の笑いを歯で噛んでいった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
ジャネットは全くみなし児の田舎娘として年頃近くまでロアール地方で育ったのであった。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫