開港論
かいこうろん
名詞
標準
文例 · 用例
名高い攘夷論者も、開港論者も、同じように故人になってしまった。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
いわく攘夷論、いわく開港論、二つのものは外政上における常時の論派なり。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
ここにおいて開港論派と王権論派とは互いに手を握りて笑談す。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
松濤は藤本鉄石、松本奎堂らの義兵を挙げんとするに与みしなかったので、開港論者と誤り認められ、そのまさに伊勢に帰らんとする前夜刺客に害せられたのである。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
而してこの葛藤は各その極端に奔り、一方においては久坂、高杉の攘夷倒幕となり、他方においては長井の開港論、公武合体の周旋となり、而して周布、来原の徒は、その心事時務と違い、慚恚以て屠腹して死するに到り、延いて戊辰に及ぶまで、長州において一低一昂したるに係らず、遂に打破的革命派の全勝を以て局を結べり。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
きのうまで、攘夷を口にし、開港論者を国賊と罵っていた志士たちが、きょうは、金モールの戎服に、二頭立ての馬車を駆り、文明開化の風をきって、議事堂の帰りを、築地ホテル館へ廻り、ホテル館のくずれは、新柳二橋(新橋と柳橋)の紅燈を必ずさわがして夜を徹した。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫