来気
らいき
名詞
標準
文例 · 用例
生来気の弱い人らしく、畢生の望みはどうかして一度、声を出して唄を謡ってみたいということであった。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
実は元来気取り屋の豹一も、ここへはいって来る瞬間、さすがに気取るだけの心の張りを無くしていたのである。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
当座はそんなことがあっても自分へ源氏は話して聞かせるはずであると思っていたが、それ以来気をつけて見ると、源氏の様子はそわそわとして、何かに心の奪われていることがよくわかるのであった。
— 朝顔 『源氏物語』 青空文庫
貴様の不心得から主人にも恥を掻する」「へい恐入りました」「どうぞ御勘弁あそばしまして」 俥の主の身を下して辞を添ふれば、彼も打頷きて、「以来気を着けい、よ」「へい……へい」「早う行け、行け」 やをら彼は起たんとすなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
これも従来気付いた人がないようだが、秀郷が竜に乞われて蜈蚣を射平らげたてふ事も先例ある。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
淵の一方の水際に従来気の注かなかった大きな岩があった。
— 田中貢太郎 『亀の子を握ったまま』 青空文庫
対立の状態で、ここまでつづいてきましたけれど、性来気の短い源三郎としては、今まで頑張るだけでも、たいへんな努力でした。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
私は由来気まぐれで、甚だ好奇心に富んでいる――しかし、本物とニセ物の区別位は出来る自信はある。
— 辻潤 『惰眠洞妄語』 青空文庫