荘吉
そうきち
名詞
標準
文例 · 用例
中村氏の報ずる所に拠れば、其地は「下渋谷羽根沢二百四十九番地」で、現住者は海軍の医官桑原荘吉さんである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
其次が今の桑原荘吉さんだと云ふ。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
このやせ男は速水荘吉、あるいは綿貫清二、あるいは鮎沢賢一郎、あるいは殿村啓介、あるいは宮野緑郎、あるいは、あるいは……と、無数の名を持っていた。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫
無数の名を持つこの男、――かりに速水荘吉と呼んでおこうか――その速水は、佐川春泥の正体を絶対に知られない用心をした。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫
あの灰色のからだが、やっぱり保護色で、古壁の色と見わけがつかず、あの大グモが目にもとまらぬ早さで壁をはいまわる様子は、なんだかかすみのようで、虫類|遁形の術という感じだが、影男速水荘吉の色シャツ応用の隠身術は、あの平グモにそっくりであった。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫
どん底の人 そのとき、仮の名速水荘吉は、ネズミ色のセビロ、ネズミ色のオーバー、ネズミ色の鳥打ち帽といういでたちで、東京周辺のある繁華街にまだ残っているブラック・マーケットの迷路の中を歩いていた。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫
だが、速水荘吉は常にゆすりのためにのみ動いているわけではなかった。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫
善神悪神 数日後、速水荘吉、あるいは綿貫清二、あるいは鮎沢賢一郎、あるいは殿村|啓介、あるいは宮野緑郎、あるいは佐川|春泥、その他無数の名を持つ影男は、帝国ホテルの一室におさまっていた。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫