驍名
ぎょうめい
名詞
標準
文例 · 用例
けれども、これは最初から先陣争いをしてみるまでもないことで、敬四郎の名まえの初耳であるのに反し、わがむっつり右門の驍名は但馬守にもすでに旧知の名まえでしたから、まず最初に右門が面接を許されることになりました。
— 村正騒動 『右門捕物帖』 青空文庫
虎を格殺したり岩に矢を立てたりした飛将軍李広の驍名は今もなお胡地にまで語り伝えられている。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
兵力兵器に於て差があり、官賊の名分また如何ともしがたいのだから、薩軍の不利は最初から明白であったが、しかし当時は西郷の威名と薩摩隼人の驍名に戦いていたのであるから、朝野の人心|恟々たるものであったであろう。
— 菊池寛 『田原坂合戦』 青空文庫
殊に、今でも眼についてゐるのは、副長の慌て方で、この前の戦争の時には、随分、驍名を馳せた人ださうですが、その顔色を変へて、心配した事と云つたら、はた眼にも笑止な位です。
— 芥川龍之介 『猿』 青空文庫
そのころ生蕃は得意の絶頂にあった、かれが三年のライオンを征服してから驍名校中にとどろいた。
— 佐藤紅緑 『ああ玉杯に花うけて』 青空文庫
片岡中将としいえば、当時予備にこそおれ、驍名天下に隠れなく、畏きあたりの御覚えもいとめでたく、度量|濶大にして、誠に国家の干城と言いつべき将軍なり。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
そこで、関ヶ原では、驍名を轟かした井伊の赤備えなんぞも、奇兵隊のボロ服にかかってさんざんなものさ。
— 年魚市の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
だから河内介輝勝も、一時は全くあの浅ましい享楽から遠ざかって、ひたすら戦場に驍名を馳せるより外には何の望みもなかったことゝ解釈していゝ。
— 谷崎潤一郎 『武州公秘話』 青空文庫