退っ引き
のっぴき
名詞
標準
escape
文例 · 用例
退っ引きならぬ彼女との別離は来りぬ、事件の進行して罪否いずれにか決する時の近づきしをば、切めてもの心やりにして。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
美奈子が、退っ引きならぬ境遇に苦しんでいることを、夢にも知らない瑠璃子は、前のように落着いた声で静に云った。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
」 早苗はその時、お悦の糸切り歯が怖ろしく思われたほど、彼女は退っ引きならぬ土壇場に立たされてしまった。
— 小栗虫太郎 『地虫』 青空文庫
退っ引きならぬ証拠を作ろうとしたのだ。
— 牧逸馬 『戦雲を駆る女怪』 青空文庫
否と聞くならば、退っ引きならぬ瀬戸際まであらかじめ押して置いて、振り返ってから、臨機応変に難関を切り抜けて行くつもりの計画だから、一刻も早く大森へ行ってしまえば済む。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
これは友人に勧められて、退っ引きならぬ事になって、論文を出した結果である。
— 第一部 牧野富太郎自叙伝 『牧野富太郎自叙伝』 青空文庫
しかし最初は嫌がらせにそう云った迄で、本気でリリーを追い出す積りはなかったらしいのであるが、へんに問題をコジレさせて退っ引きならないようにしたのは、庄造の態度が大いに原因しているのである。
— 谷崎潤一郎 『猫と庄造と二人のおんな』 青空文庫
……それに、アタフタ和泉屋を庇うような真似をすると、むこうが気取って手を出すまいから、退っ引きならぬ現場をおさえてギュッと言わせるわけにはゆかない。
— 蕃拉布 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
もう退っ引きならない状況で、彼は覚悟を決めた。
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彼の素早い動きで、敵は退っ引きならなくなった。
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「こうなったら、もう退っ引きできないぞ!」
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