毒念
どくねん
名詞
標準
文例 · 用例
不機嫌を通り越して毒念ともいふべきものがのた打つて来た。
— 島木健作 『赤蛙』 青空文庫
「なるほど、明白にディグスビイの告白だが、これほど怖ろしい毒念があるだろうか」検事は思いなし声を慄わせて、法水を見た。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
その毒念|一途の、酷烈をきわめた意志が形となったものは……。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
ああ、あのディグスビイの毒念が、未だ黒死館のどこかに残されているような気がしてならないじゃありませんか。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
それは毒念でも、恐怖でも、また兇悪な怨恨でもなかつた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
そこで、おれの心の中にはまたもや毒念が湧き返って、卑劣きわまる、豚か商人のような一幕が演じてみたくなったのだ。
— 上 『カラマゾフの兄弟』 青空文庫
なんだかまるで誰かに復讐をしようとでも思っているように、憎々しい毒念が彼の胸を刺すのであった。
— 上 『カラマゾフの兄弟』 青空文庫
それは、今まで厭らしい澁面ばかり作っていた、毒念に滿ちた彼の顏を、まったく別の顏つきに變えてしまうほどはげしいものであった。
— ドストエーフスキイ 『永遠の夫』 青空文庫