自家薬籠
じかやくろう
名詞
標準
(something that is) available for use at any time
文例 · 用例
調子に乗っているのは、自家薬籠中の人物を処女作以来の書き馴れたスタイルで書いているからであろう。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫
悪事には強い同族的類似性があってね、一〇〇〇の事件の詳細を自家薬籠中のものにして、一〇〇一番目の事件が解けないとすれば、それこそ奇妙な話。
— A STUDY IN SCARLET 『緋のエチュード』 青空文庫
椿岳の画はかくの如く淵原があって、椿年門とはいえ好む処のものを広く究めて尽く自家薬籠中の物とし、流派の因襲に少しも縛られないで覚猷も蕪村も大雅も応挙も椿年も皆椿岳化してしまった。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
……にも拘わらず彼は極度の好色漢でありまして、この方面に独特の怪手腕を持っており、言語の通じないままに各人種の情婦を持っておるのみならず、如何なる良家の夫人、令嬢でも、一度狙ったら最後、必ず自家薬籠中のものとして終う手腕に至っては団員の斉しく舌を巻いておるところであります。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
田口君は其眼に触るゝ物を以て、直に自家薬籠の中の材となす。
— 山路愛山 『明治文学史』 青空文庫
まだ芸の未熟な少女も未熟ながらみんな生かして使っており、見ばえとか効果というものを自家薬籠中のものとしたシニセの安定感と申しましょうか。
— 宝塚女子占領軍――阪神の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
すべて古法帖の検討が相当尽されているばかりでなく、見逃すべからざる長所のみに眼をつけ、それを自家薬籠中に収めて、折に触れては適宜|塩梅して小売りしていられるかのようである。
— 北大路魯山人 『魅力と親しみと美に優れた良寛の書』 青空文庫
柳枝はそのころ初代燕枝門下の新進気鋭として只管勉励の途にあつたから、その三月、新富座に改訂再演された「天衣紛上野初花」の大評判から、直ちに此を自家薬籠中のものとなし遂げたにちがひない。
— 正岡容 『下谷練塀小路』 青空文庫
作例 · 標準
彼の知識は、まさに自家薬籠のようだ。
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その技術は、彼にとって自家薬籠中の物だった。
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長年の経験で培ったスキルは、自家薬籠の武器となる。
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