杯身
つきみ
名詞
標準
文例 · 用例
精一杯身を飾り、土産の品までもさし出して、見知らない石田の家の嫁になって来た若い一人の女の運命に対して、ひろ子は習慣の力のつよさというものに威怖を覚えた。
— 宮本百合子 『播州平野』 青空文庫
本當だ、今に俺の詩もさうなるよと俺は思ふ鶯よ、御前は飽きもしないで、同じ事をくりかへして居る朝から少しも疲れもせずに、日の永い一日、内氣なお前は姿も見せずに大きな自然の中で靜かさを一杯身の内に吸ひ込んで氣が向くと、休んでは心をこめて歌ひ出す未だそこにゐたのかと思ふ。
— 千家元麿 『自分は見た』 青空文庫
(留吉の胸倉を両手で鷲掴みにして、力一杯身体ごと線路の外、柵の方へ引きずつて来て、そのまま胸倉を離さぬ)留吉 な、な、なにを貴様――!
— 三好十郎 『地熱』 青空文庫
アパートは殆どが女ばかりの部屋借りで、女の人達はいひあはせたやうにふとつたのばかり、住んでゐた、も一つはこれらの女は悉く長身で、はでで、こぼれるやうなものを、一杯身につけてゐた、一杯身につけてゐたといふことは、すぐ眼に立つといふ言はばどこも色氣とか、なまなましいもので一杯だといふことであつた。
— 室生犀星 『めたん子傳』 青空文庫
丁度腹具合も北山だらう、一杯身につけようぢやないか」 平次は斯んな事を言つて、ヒヨイと顎をしやくりました。
— 平次屠蘇機嫌 『錢形平次捕物控』 青空文庫
ちょうど腹具合も北山だろう、一杯身につけようじゃないか」 平次はこんな事を言って、ヒョイと顎をしゃくりました。
— 平次屠蘇機嫌 『銭形平次捕物控』 青空文庫