目敏い
めざとい
形容詞
標準
文例 · 用例
勇士は霜の気勢を知るとさ――たださえ目敏い老人が、この風だから寝苦しがって、フト起きてでもいるとならない、祝儀は置いた。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
お拾いなすった間もなかったがと、御老体はお目敏い。
— 泉鏡花 『怨霊借用』 青空文庫
夜更に目敏い母親の跫音が、夫婦の寝室の外の縁側に聞えたり、夜の未明に板戸を引あけている、いらいらしい声が聞えたりした。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
その時ついでに二人の寝ている座敷を蚊帳越しに覗いて見たら、目敏い母も昨日の汽車の疲が出たせいか、まだ静かな眠を貪ぼっていた。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
猿のやうに目敏い家光は、それを見免さなかつた。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
目敏い将軍家は直ぐにそれに気が注いたが、何喰はぬ顔をして、伊豆の素振を見てゐた。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
あんな大穴を開けるのを、目敏いのが自慢の私が知らない筈はありません」 番頭は妙な事を言ひ出します。
— たぬき囃子 『錢形平次捕物控』 青空文庫
尤も年が若いから私もあまり目敏い方ではないが、――この樣子だと寢首を掻かれるのも知らずにゐるかも知れぬて」 藤兵衞はどこまでも呑氣さうでした。
— 名畫紛失 『錢形平次捕物控』 青空文庫