畏まった
かしこまった
形容詞-語幹
標準
formal
文例 · 用例
」 と紺の鯉口に、おなじ幅広の前掛けした、痩せた、色のやや青黒い、陰気だが律儀らしい、まだ三十六七ぐらいな、五分刈りの男が丁寧に襖際に畏まった。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
」「御意のままです、畏まった。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
「なるほど酔っ払いに違ない」と枕元に畏まった宗近君は、即座に品評を加えた。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
小野さんは畏まったまま応じなかった。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
畏まった御坊は自分の手で封印を切って、かちゃりと響く音をさせながら錠を抜いた。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
松吉は居りますです」 はだけた前から膝小僧の出ているやつを、一生懸命に隠そうとしながら、松吉は狼藉をつくした一間の真中に、声のする方を向いて畏まった。
— 海野十三 『雷』 青空文庫
時々、こんな畏まったもの言いもまじえる。
— 折口信夫 『死者の書』 青空文庫
「君たちはなんだい」「おれらはナ、てめえらの眷族に、逆吊しにされたり、懲治棒でぶち殺されたりした兵隊たちの血筋の者だ」 牧田はいつの間にか坐って両手を膝へ置き、畏まった恰好で頭を垂れていた。
— 久生十蘭 『ノア』 青空文庫
作例 · 標準
いつもは冗談ばかり言っている彼が、恩師の葬儀では畏まった顔つきで受付に立ち、弔問客を静かに迎え入れていた。
普段着慣れないタキシードに身を包むと、自然と背筋が伸びて、心なしか畏まった気持ちになるから不思議だ。
格式高い茶会に初めて招かれた彼女は、周囲の畏まった雰囲気に圧倒され、茶碗を回す作法さえ忘れて立ち尽くしてしまった。
高級ホテルのメインダイニングでは、純白の制服を着た給仕係が畏まった口調で、本日のジビエ料理について丁寧に説明してくれた。