嫩芽
どんが
名詞
標準
bud
文例 · 用例
リンデンの嫩芽の萌えを見て過ぎしこゝに又来ぬ枯葉落つる日 静かな声、物うげな調子、それを味うて見るべきである。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
冬の間頑固にかじり附いて枝を離れず、吹雪にもざわ/\と淋しい音を立てる赤褐色なその廣葉も、小さな嫩芽の追ひ立てを喰つては一たまりもないのだ。
— 有島武郎 『春』 青空文庫
躑躅の灌木の群は丘の円味を一面に鳶色に覆うているその上へ蕾の花と嫩芽との萌しが色のうす葛をかけたように見えます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
薔薇の紅い嫩芽もついと立つてその上には小さな羽虫が群り飛んで居る。
— 長塚節 『竹の里人〔三〕』 青空文庫
薬用草木として用いられる以外の草木、即ち普通食物として用いられる草木でも、その花を開いて芽を抽く時、即ち多くは春の時に当たっては、その効能は花又は嫩芽に蔵しがちのもので、例を挙げれば山椒や茶のように、その花や芽はその物の効能を全蔵しているものである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
御本家の御女中方が灰色の麻袋を首に掛けて、桑の嫩芽を摘みに御出なさる時も、奥様は長火鉢に倚れて、東京の新狂言の御噂さをなさいました。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
そして、いま少し自分も浮き立つべきだと思ったが、蘆の嫩芽の微風にそよいでいる物静かな沼の光りに、我ながら憎くなるほど落ちつきが出てしまい、却って、千鶴子に対し気の毒な遠慮のある思いさえされて来るのだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
因みに英譯は Green Shoots(嫩芽)となつてゐる。
— 堀辰雄 『(ポオル・モオランの「タンドル・ストック」)』 青空文庫
作例 · 標準
春の訪れとともに、木々の枝からは小さな嫩芽が顔を出し始めた。
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枯れたように見えた植物から嫩芽が出てきて、生命力を感じた。
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この嫩芽はやがて大きな葉となり、木を覆い尽くすだろう。
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