中低
なかびく
形容動詞名詞
標準
hollow
文例 · 用例
新子が、あわてて立ち上ろうとすると、「いや、どうぞそのままで……」と、気持のいい潤いのある、男らしい中低音がそれをさえぎった。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
馬琴の家庭は日記の上では一年中低気圧に脅かされ通しで、春風|駘蕩というような長閑なユックリとした日は一日もなかったようだ。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
「こんどはお叱り頂かないように材料のほうも充分に吟味致しましてございますが、へえ……黒檀もここいらへんになりますと上の上でございます」 三昧堂は乗り出して簾屏風の蔭から中低の顔をのぞかせて金歯をチラチラ弁じたてた。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
鴎が空中低く飛んでいる。
— 豊島与志雄 『鴨猟』 青空文庫
幕が上がって幽霊船長が、七年ぶりでザントヴィーケの港に上陸するとき、はじめその中低音が、この歌を唱うんだ。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
その盛り上った水面に、明るい障子が小さく映っていて、潮が引くように徐々と中低くなっていった。
— 豊島与志雄 『反抗』 青空文庫
額は円く、眉も薄く眼も細く、横から見ると随分しゃくれた中低の顔であるが、富士額の生際が鬘をつけたように鮮かで、下唇の出た口元に言われぬ愛嬌があって、物言う時歯並の好い、瓢の種のような歯の間から、舌の先を動かすのが一際愛くるしく見られた。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫
色糸の入った荒い絣の銘仙に同じような羽織を重ねた身なりといい、頤の出た中低な顔立といい、別に人の目を引くほどの女ではないが、十七、八と覚しいその年頃とこの辺では余り見かけない七三に割った女優髷とに、兼太郎は何の気もなくその顔を見た。
— 永井荷風 『雪解』 青空文庫
作例 · 標準
このアクセサリーは、デザインが中低で控えめだが、上品な印象を与える。
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彼の声は高すぎず低すぎず、ちょうど良い中低音で聞き取りやすい。
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このスピーカーは、高音域から低音域までバランスが取れており、中低音の響きが豊かだ。
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