物欲しい
ものほしい
形容詞
標準
文例 · 用例
どの玩弄物欲しい、と私が問うたでの、前へ悦喜の雀躍じゃ、……這奴等、騒ぐまい、まだ早い。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
一|時として静まらぬ海の不思議がすでに子供心を奪ってしまったので私は物欲しい心持を知らずに過ぎた。
— 水上滝太郎 『山の手の子』 青空文庫
お蝶は足のつま先に物欲しい目を落としながら当てのない心を抱いて歩きました。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
だって随分あるの、お金持ちのお墓なんて十円位も花束があがっててよ……」「で、お土産に利用するのかい、仏も浮べないねえ……」「だって美しい花だものほしいわ」 彼女は、その花束を如何にも花屋から買ったかのように紙に包んで、風呂敷をかかえ日向の道へ小犬のように出て行った。
— 林芙美子 『魚の序文』 青空文庫
その方式というのは、まずこの家より上のほうに男の児をもった家の屋の棟に繩をゆわえつけ、つぎにその繩を氏神さんの社に引き、さらに子どものほしい家の外庭まで引いてきて、蓆旗を立てた竿のさきにむすびつないでおくのである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
私どものほしいもの、求めるものはそういう力です。
— 矢内原忠雄 『キリスト教入門』 青空文庫
ところが畜生に、国を遣っても仕方がないから智馬を施主として大いに施行し、七日の間人民どもの欲しい物を好みの任に与うべしと勅諚で無遮大会を催した。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
もの欲しいままに、掴み食いはしましたが、餓えた口が、少しずつ味をわきまえるようになると、始めてそれが灰であったと判り、流石に私もあとはたべずにやめました。
— 一九二三年(大正十二年) 『日記』 青空文庫