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煙花

えんか
名詞
1
標準
文例 · 用例
硝子の中に彎曲した一本の光が、線香煙花のように疾く閃めいた。
夏目漱石 思い出す事など 青空文庫
「わしには何のかわりもないが、そなたはますます変ってゆくそうな――まずまずそれも結構じゃろうよ」「露月はそなたが先ごろより、遊芸唱歌に身をやつし、煙花の巷に出入して、若い歓びをむさぼるようになったのが、何よりも不明でならぬのじゃ」 と、片里はえましげに美少年をながめて言うのでした。
三上於兎吉 艶容万年若衆 青空文庫
「両国の煙花の晩でしたっけねえ――」 と節子はそれを叔父に言って、丁度七年前のその日叔母さんの亡くなった当時のことを思出し顔にその墓の側を離れた。
島崎藤村 新生 青空文庫
砲撃は、ますます熾烈さを加え、これに応酬するかのように、イギリス軍の陣地や砲台よりは、高射砲弾が、附近の空一面に、煙花よりも豪華な空中の祭典を展開した。
海野十三 英本土上陸戦の前夜 青空文庫
「陽春三月、煙花の候、白馬に跨がり、珊瑚の鞭、柳をかかげて彷徨うという、豪放濶達の風流児、従来の殿でございました。
国枝史郎 任侠二刀流 青空文庫
一人一人に変化のある、そして気の利いた点の共通である巴里婦人の服装を樹蔭の椅子で眺めながら、セエヌ河に煙花の上る時の近づくのを待つて居た。
與謝野寛、與謝野晶子 巴里より 青空文庫
河岸へ出るともう煙花の見物人が続続と立て込んで居る。
與謝野寛、與謝野晶子 巴里より 青空文庫
九時半頃に、それは極く小さい煙花の一つがノオトル・ダムのお寺の上かと思ふ空に上つた。
與謝野寛、與謝野晶子 巴里より 青空文庫