空滑り
からすべり
名詞
標準
文例 · 用例
――だが、降り坂に勢ひを得て電車の終点までは一息に達したが、坂の途中から体力に逆つた単なる慣性で止むなく二本の脚が猛烈な威勢で空滑りしたやうなものであつたから、待合室にのめり込むがいなや、ベンチに倒れてフイゴのやうに激しい呼吸のまま目を瞑るより他はなかつた。
— 牧野信一 『創作生活にて』 青空文庫
或る時は、その顔はあんまり血色がよく、すべすべしているので、私のためらいがちな視線はいくどもその上で空滑りをしそうになった。
— 堀辰雄 『美しい村』 青空文庫