心づもり
こころづもり
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
anticipation
文例 · 用例
勿論、小春が送ろうと言ったが、さっきの今で、治兵衛坊主に対しても穏でない、と留めて、人目があるから、石屋が石を切った処、と心づもりの納屋の前を通る時、袂を振切る。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
そこで、この男の旅姿を見た時から、ちゃんと心づもりをしたそうで、深切な宰八|爺いは、夜の具と一所に、机を背負て来てくれたけれども、それは使わないで、床の間の隅に、埃は据えず差置いた。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
将来、巴里へ行けるとか行けまいとか、そんな心づもりなどは、当時のかの女には、全然なかったのだ。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
年紀のほどを心づもりに知っため組は、そのちらちらを一目見ると、や、火の粉が飛んだように、へッと頸を窘めた処へ、「まだ、花道かい?
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
……で、その結綿のかな文字を、女房の手に返すと、これがために貸本屋へ立寄ったろう、借りて行く心づもりに、口絵を伏せて、表紙をきちんと、じっと見た。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
あの娘を拝むとも言いたくないから、似合いだとか、頃合いだとか、そこは何とか、糸的の心づもりで、糸的の心からこの縁談を思いついたようによ、な、上杉さんに。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
土曜には街へ戻って二度と行かない心づもりです。
— THE ADVENTURE OF THE SOLITARY CYCLIST 『自転車乗りの影』 青空文庫
そッときいて、……内心恐れた工料の、心づもりよりは五分の一だったのに勢を得て、すぐに一体を誂えたのであった。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫