木塀
もくへい
名詞
標準
文例 · 用例
二年前彼がこの家に立寄った時には麦畑の向うの道路がまる見えだったが、今は黒い木塀がめぐらされている。
— 原民喜 『永遠のみどり』 青空文庫
二年前彼がこの家に立寄つた時には麦畑の向の道路がまる見えだつたが、今は黒い木塀がめぐらされてゐる。
— 原民喜 『永遠のみどり』 青空文庫
借りる部屋の出窓に面したところにすぐ垣があるが、木塀や建仁寺でなく、やはり薄黄色くポカポカした竹の、或は笹の垣なので、目ざわりでないのだ。
— 一九二三年(大正十二年) 『日記』 青空文庫
この見物席の根、つまり実際の闘牛庭との境壁には、周囲に、高さ五|呎ほどの炭油塗りの木塀がめぐらしてあって、そのところどころに、半狂乱の牛の角のあとらしいこわれが見えている。
— 血と砂の接吻 『踊る地平線』 青空文庫
しかし東の裏は朽ちた木塀に劃されて、未だ空家が残っていた。
— 外村繁 『澪標』 青空文庫
藤巻という家はあった、古びた黒い笠木塀をめぐらせた小さな構えで、門からひと跨ぎの処に玄関が見える、宗吉はいちど通り過ぎて戻り、思いきって玄関に立った。
— 山本周五郎 『金五十両』 青空文庫
両家の庭境は笠木塀になっているが、一部だけ柾木の生垣のところがある。
— 山本周五郎 『艶書』 青空文庫
……またそこを西へ下り、かこいの笠木塀を越えると、一段ずつ果樹畑とか菜園などがあって、いちばん下は小さな流れのある谷底のようになっている。
— 山本周五郎 『桑の木物語』 青空文庫