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鉄串

てつぐし
名詞
1
標準
文例 · 用例
その側に下女のおすめは、一かかえもあるほどな大きな七輪へ、赫々と炭をおこして、長い鉄串へ幾切もの粕漬の塩鮭を並べて居る、焼けて溶け落ちる塩鮭の油が炭火に焦げて、ぷんぷんと香ばしい匂をたてるのであった。
岡本かの子 かやの生立 青空文庫
勿論小使部屋だ、マツチ箱の様な中に持つて来て、角火鉢、大薬鑵、炭取、箒、寝台、布団、机、鈴、乃至茶碗、土瓶、飯箱、鉄串に至るまで、まるで足の踏み処も無い始末、もし火事が始まつた時には、小使はキツト焼け死ぬるに異ひないと思つた。
尾崎放哉 俺の記 青空文庫
コツチは一向頓着なしで以て、笑つたり、うなつたり、小使なる者の存在は、もとより眼中に無いので、時によると、国から可愛い息子に送つて来た餅だの、魚だのを持つて来て、鉄串で焼いて喰ふ。
尾崎放哉 俺の記 青空文庫
○豚の刺身を上等に製するは最初肉片の両側へ塩を塗り、鉄串にて肉に孔を明け、塩の中へ浸み込むようになし、本文の如く湯煮て後そのまま煮汁の中へ一昼夜漬けおき、翌日取出して煮醤油へ漬けるなり。
春の巻 食道楽 青空文庫
沢山の肉を焼く時にはその味を浸込ませるため鉄串か箸でポツポツと肉へ孔を明けてもようございます。
秋の巻 食道楽 青空文庫