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御当地

ごとうち
名詞
1
標準
文例 · 用例
御当地は薬が名物、津々浦々までも効能が行渡るんでございますがね、こればかりは看板を掛けちゃ売らないのですよ。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
――格別|上智のものの申し候には、今般英仏とシナとの戦争長続きはあるまじき由、左候えばイギリス使節はほどなく御当地へ参り申すべく候。
第二部上 夜明け前 青空文庫
「何分、わたくしは、御当地に始めての旅の者、殊更、取り急ぎます日暮れ時、何事もお心|寛うお許し下されますよう――」「ううむ――」 と、浪人者は呻いた。
三上於菟吉 雪之丞変化 青空文庫
何しろ初|上りの親方衆の、顔見世と言うのだから、座が割れっ返る程、大入り請合いだ」「そうなれば宜しいが、――何分始めての御当地故、入りばかり気になって、――」 雪之丞は謙遜深く、そんな相槌を打ちながら、さしかかったのが、横町を行きつくして、御蔵前通りの、暗く淋しい曲り角――。
三上於菟吉 雪之丞変化 青空文庫
わたくしは大坂よりはるばると、御当地を頼りまいらせて下りました、中村雪之丞、いく久しく御贔屓、おん引き立てのほど願わしゅう」「さあさあ、遠慮のう、前へ進め、これへまいれ」 と、三斎老人、例の気作な調子で、じかに声をかける。
三上於菟吉 雪之丞変化 青空文庫
はじめての御当地、お店前から乗ものに乗るなぞとは、旦那衆と御一緒なら、兎に角、勿体ない。
三上於菟吉 雪之丞変化 青空文庫
日ごろは、芸界になぞ、縁どおい一般世界までが、こうなると、煽られたように、 ――雪之丞とかが、御当地に居付くだろうか――ッて?
三上於菟吉 雪之丞変化 青空文庫
「あぶない、御冗談を――御冗談とは存じておっても、当方にも、手足がござりますゆえ、どこに当るかわかりませぬ――いい程になされた方が――」 と、冷たくいって、平馬を仰いで、「只今、うけたまわれば、わたくしが、御当地におりますことは、御歴々の御名誉を傷なうものとか――なぜでござりましょう?
三上於菟吉 雪之丞変化 青空文庫