戸障子
としょうじ
名詞
標準
doors and shoji (sliding doors with paper panes)
文例 · 用例
音が四方の山から反響し、家の戸障子にはげしい衝動を与える。
— 寺田寅彦 『田園雑感』 青空文庫
戸障子の開け閉めもするな。
— 梶井基次郎 『川端康成第四短篇集「心中」を主題とせるヴァリエイシヨン』 青空文庫
夏のことで戸障子のしまりもせず、殊に一軒家、あけ開いたなり門というてもない、突然破縁になって男が一人、私はもう何の見境もなく、(頼みます、頼みます、)というさえ助を呼ぶような調子で、取縋らぬばかりにした。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
戸障子ががた/\鳴る。
— 泉鏡花 『夜釣』 青空文庫
終には猫又が化けた、妾のやうに、日の目を厭うて、夜も晝も、戸障子雨戸を閉めた上を、二|重三|重に屏風で圍うて、一室どころに閉籠つた切、と言ひます…… 漸との思ひ、念力で、其の婦を見ました時は、絹絲も、むれて、ほろ/\と切れて消えさうに、なよ/\として、唯うつむいて居たのであります。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫
奥にいた女中は、蛇がと聞いただけでアレソレ打騒いで戸障子へ当っただよ。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
が、人気勢のする破障子を、及腰に差覗くと、目よりも先に鼻を撲った、このふきぬけの戸障子にも似ず、したたかな酒の香である。
— 泉鏡花 『怨霊借用』 青空文庫
大方は雨漏に朽ち腐れて、柱ばかり参差と立ち、畳は破れ天井裂け、戸障子も無き部屋どもの、昔はさこそと偲ばるるが一い二ウ三いと数うるに勝えず。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫