鮫鞘
さめざや
名詞
標準
sharkskin scabbard
文例 · 用例
関東|縞の袷に、鮫鞘の長脇差を佩して、脚絆草鞋で、厳重な足ごしらえをした忠次は、菅のふき下しの笠を冠って、先頭に立って、威勢よく歩いていた。
— 菊池寛 『入れ札』 青空文庫
関東縞の袷に脚絆草鞋で、鮫鞘の長脇差を佩し菅の吹き下しの笠をかぶっている)才助 親分お疲れでございましょう。
— 菊池寛 『入れ札』 青空文庫
夜になって、四隣が静まると、母は帯を締め直して、鮫鞘の短刀を帯の間へ差して、子供を細帯で背中へ背負って、そっと潜りから出て行く。
— 夏目漱石 『夢十夜』 青空文庫
」 いまさら、と思われたのに、親分がののしりながら、鮫鞘を抜き払って、笑止にも切ってかかろうとしたので、ダッと草香流。
— 妻恋坂の怪 『右門捕物帖』 青空文庫
南瓜のやつはそれを聞くと、急に死人のやうな顔になつて、息がつまりさうな声を出しながら、「How, now! A rat? Dead for a ducat, dead!」と云ふが早いか、いきなり奈良茂の側にあつた鮫鞘の脇差を引こぬいて、ずぶりと向うの胸へ突こんだんだ。
— 芥川龍之介 『南瓜』 青空文庫
演出曲目は成る可く古曲をと布望したが、舞臺が完全でない上に、小道具や衣裳や人形の頭など特殊なものを要求する關係から目ざした「國性爺」は見られず、先づ吉例「夷舞はし」と「三番叟」から始めて、華やかな「太閤記」尼ヶ崎の段、すすけた「恨鮫鞘」鰻谷の段、古風な「河原達引」堀川の段稽古場の五番が演ぜられた。
— 竹内勝太郎 『淡路人形座訪問』 青空文庫
――さうして見ると、「桜鍔恨鮫鞘」の鰻谷も、「紙子仕立両面鑑」の大文字屋も、語り物としては名高いものだつたが、舞台には、彼の発意で移されたものだつた。
— 折口信夫 『戞々たり 車上の優人』 青空文庫
額は三分ほど抜き上げ、刷毛先細い本多髷、羽織は長く、紐は黒竹打ち、小袖は無垢で袖口は細い、ゆきも長く紋は細輪、そうして襦袢は五分長のこと、下着は白糸まじりの黒八丈、中着は新形の小紋類、そうして下駄は黒塗りの足駄、大小は極上の鮫鞘で、柄に少し穢れめをつける、はな紙は利久であった。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
作例 · 標準
戦士は、丁寧に作られた鮫鞘に刀を慎重に滑り込ませた。
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暗い漆塗りの鮫鞘は、松明の光の下で鈍く光っていた。
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刀を鞘に収める際、鞘を傷つけないように注意した。
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