蛇矛
じゃほこ
名詞
標準
文例 · 用例
それで水滸伝、三国志、関羽の青龍刀、張飛の蛇矛などが嬉しくつて堪らない。
— 泉鏡花 『いろ扱ひ』 青空文庫
從つて古色蒼然たる脇立の青鬼赤鬼も、蛇矛、長槍、張飛、趙雲の概のない事はない。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
少し詩がかった野蛮人になると、アキリスがヘクトーの死骸を引きずって、トロイの城壁を三匝したとか、燕ぴと張飛が長坂橋に丈八の蛇矛を横えて、曹操の軍百万人を睨め返したとか大袈裟な事ばかり連想する。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
それ故に画帖を見てもお姫様一人画きたるよりは椿一輪画きたるかた興深く、張飛の蛇矛を携へたらんよりは柳に鶯のとまりたらんかた快く感ぜらる。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
まず匹を古今に求むれば、長坂橋頭|蛇矛を横えたる張飛の一喝に近かるべし。
— 芥川龍之介 『北京日記抄』 青空文庫
然り、桑樹に対して太息する玄徳、青山を望ンで黙測する孔明、玉璽を擁して疾呼する孫堅、蒼天を仰いで苦笑する孟徳、蛇矛を按じて踊躍する翼徳、彼等の時代は漸に来りし也。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
張大帥はすなわち燕人張翼徳の後裔で、彼が一度丈八の蛇矛を支えて立つと、万夫不当の勇がある。
— 魯迅 『風波』 青空文庫
誰だって彼に抵抗することは出来ない」 彼は両手をひろげて空拳を振り上げ、さながら無形の蛇矛を握っているような体裁で、八一ねえさんに向って幾歩か突進した。
— 魯迅 『風波』 青空文庫