物の弾み
もののはずみ
表現名詞
標準
(on) the spur of the moment
文例 · 用例
どんぐりの背比べの中から物の弾みでひょいと頭一つ飛び出せば、後はこの空間を支配する標準化の力学が、あれよあれよというまに絶対的な強者に押し上げてくれた。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
人聞きて身に泌むと云ふこと云ひぬ物の弾みはすべてわりなし かういふ体験は私にもある。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
要するに物の弾みだ、どれ程多くの行為がもののはずみに行はれ、どれ程多くの言説がもののはづみに人の口から出たことであらう。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
けれど、物の弾みは、そんな常の思慮で支えのつかない所にある。
— 円明の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
チャンスという異国語はこの場合、日本に於いて俗に言われる「ひょんな事」「ふとした事」「妙な縁」「きっかけ」「もののはずみ」などという意味に解してもよろしいかと思われるが、私の今日までの三十余年間の好色生活を回顧しても、そのような事から所謂「恋愛」が開始せられた事は一度も無かった。
— 太宰治 『チャンス』 青空文庫
「もののはずみ」で、つい、女性の繊手を握ってしまった事も無かったし、いわんや、「ふとした事」から異性と一体になろうとあがく特殊なる性的煩悶、などという壮烈な経験は、私には未だかつて無いのである。
— 太宰治 『チャンス』 青空文庫
「もののはずみ」とか「ひょんな事」とかいうのは、非常にいやらしいものである。
— 太宰治 『チャンス』 青空文庫
「甘美なる恋愛」の序曲と称する「もののはずみ」とかいうものの実況は、たいていかくの如く、わざとらしく、いやらしく、あさましく、みっともないものである。
— 太宰治 『チャンス』 青空文庫
作例 · 標準
つい物の弾みで、大きな買い物をしてしまった。
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けんかは良くないが、物の弾みで手を出してしまった。
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彼は物の弾みで、とんでもないことを言ってしまった。
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