関焉
せき焉
名詞
標準
文例 · 用例
女中はちょうど、台所の何かの湯気に隠れたから、その時は誰も知らなかったが、知れずに済みそうな事でもなし、またこれだけを切取っても、主税の迷惑は隠されぬ、内へだって、新聞は他に二三種も来るのだけれども、そんな事は不関焉。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」「さようでございますとも、ははははは、」と笑いつけてあえて不関焉。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
寒い、寒い、忙しい、忙しい――我不関焉!
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
暁、火事があつた、裏の窓からよく見えた、私は善い意味での、我不関焉で、火事といふものを鑑賞した(罹災者に対してはほんたうにすまないと思ひながらも)。
— 三八九日記 『行乞記』 青空文庫
しかし鼻はそんな場合でも吾不関焉と済ましております。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
画面は全速力で自動車が走つているのに音楽は我不関焉とアンダンテか何かを歌われたんではきのどくに見物の頭は分裂してしまうほかはない。
— 伊丹万作 『映画と音楽』 青空文庫
で、真実にその苦痛を察したならば、到底、不関焉の態度を取り得ない筈であります。
— 小酒井不木 『安死術』 青空文庫
そして、ふしぎなことにはかういふ態度は大石の正文老夫婦から出てゐるので、練吉の方は吾不関焉といつた風があることだつた。
— 田畑修一郎 『医師高間房一氏』 青空文庫