水口
みずぐち
名詞頻度ランク #34241 · 青空 267 例
標準
spout
文例 · 用例
時候は盆前、娘の一周忌と、うまく道具が揃っているもんだから、夜ふけに水口からそっと忍び込んで、師匠を殺す、蛇をまき付ける。
— お化け師匠 『半七捕物帳』 青空文庫
半七はすこし考えていたが、やがて三畳から台所へ這い出して、水口からそっと表へぬけた。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
それは浴場についている水口で、絶えず清水がほとばしり出ているのである。
— 梶井基次郎 『温泉』 青空文庫
男女の話声が水口の水の音だとわかっていながら、不可抗的に実体をまとい出す。
— 梶井基次郎 『温泉』 青空文庫
」と、婆やが水口の障子で怒鳴ると、白磨竹を突着けられた千鳥の前は、拷問の割竹で、胸を抉られた体にぐなりとした。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
…… 肩を固く、足がふるへて、その左側の家の水口へ。
— 泉鏡花 『夜釣』 青空文庫
…… 手もしびれたか、きゆつと軋む……水口を開けると、茶の間も、框も、だゞつ廣く大きな穴を四角に並べて陰氣である。
— 泉鏡花 『夜釣』 青空文庫
…… 手もしびれたか、きゆつと軌む……水口を開けると、茶の間も、框も、だゝつ広く、大きな穴を四角に並べて陰気である。
— 泉鏡花 『夜釣』 青空文庫
作例 · 標準
田んぼの水口から勢いよく水が流れ込んでいる。
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茶碗の水口からお茶を注ぐ。
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このやかんの水口は細くて、お湯が飛び散らない。
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ウィキペディア曖昧さ回避
水口(みなくち、みずぐち)とは、水の出入り口のこと。特に水田における取り入れ口を指す。経済的にも文化的にも稲作を基本としてきた日本では、それに関するものは重要視されるため、地名や名字としても用いられるようになった言葉があるが、これもそのひとつ。
「みなくち」と「みずぐち」
みずぐち
童謡『水口』
- 童謡『たきび』で知られる巽聖歌の出世作である。「みなくち」と読む。投稿による児童文学雑誌『赤い鳥』大正14年10月号に最も優れた作品とされる推奨として掲載された。選者の北原白秋は四四四調という斬新な構成と聖歌の感性を褒め称えている。これが縁となって聖歌は白秋門下として研鑽を積むことになった。ちなみに巽聖歌の筆名を最初に使ったのがこの作品である。
- 聖歌の郷里、東北地方の太平洋側はヤマセと呼ばれる季節風が流れ込むと気温が上がらない。その時期が稲の出穂期に重なると冷害に見舞われることになる。少しでも低温の影響を緩和するために水田に引く水の管理が重要になる。河川から直接引き込んだのでは田の水温が下がってしまう。田に引き込む前に一旦溜めておき、少しでも水温を上げてから田に水を引き込む工夫がなされていた。それが水口である。冷害に苦しめられることの多かった東北地方の農民にとって、水口はとても大切なものだった。
関連項目
出典: 水口 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0