掻き出す
かきだす
動詞
標準
文例 · 用例
燃えても構はずに掻き出す。
— 長塚節 『炭燒のむすめ』 青空文庫
遂にはじうつと傍の流へ突つ込んで、更に水に浸して置いた鍵の手で掻き出す。
— 長塚節 『炭燒のむすめ』 青空文庫
少し掻き出すと一つに寄せてそれへ灰を掛ける。
— 長塚節 『炭燒のむすめ』 青空文庫
」と、父親は匙で玉菜を掻き出すやうにしながら言つた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
一|方には深き凹み有り、一方には物を掻き出すに都合好き構造有り。
— 坪井正五郎 『コロボックル風俗考』 青空文庫
内部は二重の板張りで、貝を焼く窯が三基並んでい、おのおの貝殻を投げ入れる口と、焼きあげて出来た石灰を掻き出す口と、それらの下に、薪を燃やす大きな焚口が付いていた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
ことに夜、お通夜に明かし、晨に、菊池さんの遺骸を火葬場に送つて、あの火葬場の無慈悲な煉瓦の窯口から、鐵のマンガみたいなもので、數片の白骨と灰とを掻き出すところを拜んできたばかりなので、自分のあたまも甚しく整理を缺いてゐる。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫
やがて、苦々しそうに、そして切なそうに、眉を顰めて、唇を引結ぶと、グウグウとまた鼾を掻出す。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫