音韻組織
おんいんそしき
名詞
標準
sound system (of a language)
文例 · 用例
さて右に述べたような音韻組織は、国語の違いによって違っているばかりでなく、同じ国語に属する種々の言語、例えば各地の方言の間にも相違があるのであって、それらの言語を形づくる箇々の音韻の数も必ずしも同じでなく、一つ一つの音韻も必ずしも一致しない。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
音韻組織は同じ言語においても時代によって変化する。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
かように箇々の音の変化によって、あるいは数を増しあるいは数を減じ、あるいは一の音が他の音になって、前代とはちがった音韻組織が生ずるのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
奈良朝にいたって、はじめてかような資料が比較的豊富に得られるのであるから、第一期の音韻を研究しようとするには、どうしても先ず奈良朝のものについてその時代の音韻組織を明らかにし、これを基礎として、それ以前の時代に溯るのほかないのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
一 奈良朝の音韻組織 奈良朝時代の文献の中に、国語の音を漢字(万葉仮名)で写したものを見るに、同じ語はいつも同じ文字で書いているのではなく、種々の違った文字をもって写している。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
かような万葉仮名の類別こそ、当時の音韻の状態を知るべき基礎となるものであって、その類の一つ一つは、それぞれ当時の人々が互いに違った音として言いわけ聞きわけた一つ一つの音を代表し、その総体が当時の国語の音韻組織を示すものとなるのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
そのほか、中央の言語にないような音もあって、音韻組織に違いがあったろうと考えられるが、委しいことは知り難い(東国語の中でも、勿論土地によって相違があったであろう)。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
そうして、平安朝初期に作られその盛時まで世に行われた「あめつち」の頌文(四十八字)およびその後これに代って用いられた「いろは」歌(四十七字)が、不完全ながらもその当時の音韻組織を代表するものであった。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫