廃虚
はいきょ
名詞
標準
文例 · 用例
それほど廣島はすでに廃虚の姿から更生されている。
— 原民喜 『より美しく―より和やかに』 青空文庫
荒涼たる廃虚にはじめて贈られた美しきもの、やっぱり私らは神から忘れられていなかったわい。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
荒涼たる廃虚を小さい兄に手を引かれてゆく姿を見ていたら、ふっと広東の盲妹を思い出した。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
夏陽は稲佐山に落ちようとして赤光が廃虚を照らす厳粛なひととき、ついに信仰の鐘は煉瓦の山の上に美しい姿を静止した。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
当時浦上原頭たるや満目荒涼、灰と瓦と石垣のみの廃虚。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
この二年間、私はひとり浦上の廃虚に寝て朝な夕な友のめい福を祈っていた。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
廃虚の仮住居は子供を教育するには、しかしながら、よい環境ではありませんでした。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
廃虚となった病棟、倒れた同僚、かつぎこまれる負傷者の群れ……ああ、あれから二年、明け暮れただ忙しく復興に没頭してきょうまで来ました」 秋月君は言葉をきり、二年間の目まぐるしい変転を思い出すもののごとく、焼けひびの入った茶わんを見つめた。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫