落莫
らくばく
形容詞-たる副詞-と
標準
desolate
文例 · 用例
誰かも云ったように、砂漠と苦海の外には何もない荒涼|落莫たるユダヤの地から必然的に一神教が生れた。
— 寺田寅彦 『札幌まで』 青空文庫
世の常の良人ならば、かかる場合には、たまりかねて、飛び出して来た自分の妻の心根にもかなり同情するのであろうが、同棲して以来、十幾年、常に夫人の高慢な意地の悪さに、悩まされる前川は、夫人の人格的な欠点を、洗いざらい見せられたように、眼の前が暗くなり、妻に対して、落莫たる味気なさを感ずるばかりであった。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
だらしのない落莫小説を産出する位が関の山だらう。
— 大波小波 『小熊秀雄全集-20』 青空文庫
が、こう世の中が世智辛くなっては緑雨のような人物はモウ出まいと思うと何となく落莫の感がある。
— 内田魯庵 『斎藤緑雨』 青空文庫
こうした意識が嵩ずるにつれ、彼の奥殿における生活は、砂を噛むように落莫たるものになって来た。
— 菊池寛 『忠直卿行状記』 青空文庫
蕭々落莫として、江戸はまったくもう秋でした。
— 首つり五人男 『右門捕物帖』 青空文庫
「この悲しみを先生に見せまいと思つて私達は今日まで、あらゆる方法を講じてサイパンの樽を持ち続けて来たのであるが……」 するとあちこちから溜息と咽び泣きの声が起つて、酒場は忽ち落莫たる秋の野原と化してしまつた。
— 牧野信一 『酒盗人』 青空文庫
何処に居たつて何うせ君、この人生は寂しくてやりきれないんなら、いつそ監獄に囚はれたら、寧ろどつしりとした落莫の底に落着きを見出せて、屹度得るところがあらうと思ふんだ。
— 牧野信一 『露路の友』 青空文庫
作例 · 標準
祭りが終わった後の人気のない広場には、何とも言えない落莫とした空気が漂っていた。
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親友が遠くへ引っ越してしまった後の部屋は、急に落莫とした静寂に包まれた。
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大きな成功を手にした裏側で、彼は常に心の中に落莫とした虚無感を抱えていた。
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