此の糸
このいと
名詞
標準
purple
文例 · 用例
」「掛けるものを貸して進ぜましよ、矢張内端ぢや、お前様立つて取らつしやれ、何なう、私がなう、ありやうは此の糸の手を放すと事ぢや、一寸でも此の糸を切るが最後、お前様の身が危いで、いゝや、いゝや、案じさつしやるないの。
— 泉鏡花 『二世の契』 青空文庫
なぜ紫繩というかと言えば、紫という字は割って読めば此糸、意は何かそこらにあり合わせの「此の糸」でも痛みに食い入るから本繩としての役目は結構たりるというところから来ているとの説もあるし、血が糸に滲んでむらさき色を呈するからかく称するとも言われている。
— 怨霊首人形 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
そして織り手の足で踏む足台に推されて、交る/″\此の糸の半分が下りると残りの半分が上る。
— STORY-BOOK OF SCIENCE 『科学の不思議』 青空文庫
このいとしさに越すものはない。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
私は人々が自らの信ずる神に対する心持、産の母親に対しての感情をもってこのいとも尊い繊細な美を思うのである。
— 宮本百合子 『繊細な美の観賞と云う事について』 青空文庫
そして頬にキッスして「天にまします吾等の神よ、このいと憐れなる汝の子にことさらのお恵みと幸せとを与えたまえ」とお祈りをしてくれる。
— 大杉栄 『続獄中記』 青空文庫
このいと子夫人が病気ではいった病院は、私の住居のすぐ近くにあった。
— 豊島与志雄 『三木清を憶う』 青空文庫
このいとうべき性癖があるドノバンに、なにからなにまで敬服しているのは、そのいとこのグロースであった。
— 佐藤紅緑 『少年連盟』 青空文庫
作例 · 標準
昔、貴族の女性が身につけていたのは、この糸で織られた豪華な着物だ。
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この糸は非常に繊細で、扱いには細心の注意が必要だ。
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日本の伝統的な刺繍には、この糸がよく用いられる。
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