しもた屋
しもたや
名詞
標準
store that has been gone out of business
文例 · 用例
藏庫は河岸に揃つて、荷の揚下しは船で直ぐに取引きが濟むから、店口はしもた屋も同じ事、煙草盆にほこりも置かぬ。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
一体その娘の家は、母娘二人、どっちの乳母か、媼さんが一人、と母子だけのしもた屋で、しかし立派な住居でした。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
所が停車場からさう遠くない小高い所に一軒のしもた屋があつた。
— 木下杢太郎 『少年の死』 青空文庫
私の小屋と真向の……金持は焼けないね……しもた屋の後妻で、町中の意地悪が――今時はもう影もないが、――それその時飛んで来た、燕の羽の形に後を刎ねた、橋髷とかいうのを小さくのっけたのが、門の敷石に出て来て立って、おなじように箔屋の前を熟とすかして視ていた。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
わたくしが物ごゝろついた六七歳時分の、家の事を考えてみますと、小ぢんまりしたしもた屋で細い川の河岸に在りました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
ふだんは、たいして交際もない商家や、しもた屋の家の者が大ぜい、往来に出て一年に一度の親しい顔つきになって羽根を送り合います。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
路地から見えるカンテキ横丁のしもた屋の二階で、夏の宵、「現われ出でたる武智光秀……」と一つ文句の浄瑠璃をくりかえしくりかえし稽古しているのを、父親が蝙蝠傘の骨を修繕しながら口真似していた――そんなことまで想い出されて、自安寺の表門を出ると、「お君ちゃん、文楽でも見えへんか?
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
坂の北側はけちな家が軒を並べていて、一番体裁の好いのが、板塀を繞らした、小さいしもた屋、その外は手職をする男なんぞの住いであった。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
作例 · 標準
あのしもた屋の格子窓には、今も情緒豊かな古い町並みの名残がある。
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しもた屋となった旧家の前で、近所のお年寄りが立ち話をしている。
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商売の喧騒が消えたしもた屋は、ひっそりと静まり返っている。
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